物性物理分野について
物性物理とは物質の力学的諸性質・熱的性質、誘電現象、電気伝導、磁性、結晶構造、電子構造といった性質を研究する学問です。力学、電磁気学、熱力学・統計力学、量子力学を土台にして成り立っていて、半導体や超伝導などの現代のハイテク技術の基礎となっています。
物理科学分野での物性物理研究について
物性物理分野では、磁性や超伝導体、超イオン導電体の物性解明・新物性の発現に取り組むなど、超伝導磁石やリチウムイオン2次電池などの現代の先端技術の基礎となる研究を行っています。
例えば、物質の中には温度を下げていくと電子による電気抵抗が完全に零になってしまう超伝導という現象を示すものがあります。
一方、室温以上の高温では固体中でイオンが高速で動くことで電気伝導が生じる超イオン導電体と呼ばれるものがあります。
こうした固体内での超伝導現象やイオン伝導現象がなぜ起こるのかを解明するために、核磁気共鳴(NMR)、電気抵抗測定、
磁気測定、X線回折法等の実験手法を用いて研究を行っています。