素粒子・原子核・宇宙物理・宇宙線分野について
素粒子・原子核・宇宙物理・宇宙線分野では、宇宙暗黒物質の探索、宇宙線の観測、およびそれらの検出に用いる最先端の計測装置の開発を行っています。
卒業研究・修士研究指導について
卒業研究は4年次から行います。現在二名の教員による共同指導体制をとっています。3年次後期から研究室に仮配属され、素粒子・原子核・宇宙物理学に共通する実験回路とデータ解析方法を学びます。
3年次後期のテーマ:
- ヨウ化セシウム(CsI)シンチレーターを用いたγ線分析: 前期に使用した謎のβ線源を、CsIシンチレーターによるγ線計測によって特定します。
- 原子核・素粒子・宇宙物理の実験に使用する回路を用いて、テキストに従って使用方法と信号の観察方法を学びます。
- 4年次や修士の先輩から、4月以降の研究テーマについて説明を受け、4年次で取り組む研究テーマを検討します。
過去の卒業研究テーマ: 宇宙暗黒物質探索、ニュートリノの質量を量る実験、高エネルギー宇宙線及び環境放射線に関連するテーマがあります。
具体的な研究テーマは学生の興味に応じて柔軟に決めることができます。4年生になる前でも積極的に相談に来てください。
- 超高純度NaI(Tl)シンチレーターによる宇宙暗黒物質探索
- 宇宙暗黒物質探索のための超高純度NaI(Tl)シンチレーター開発
- モンテカルロシミュレーションによる宇宙暗黒物質探索に対するバックグラウンドの評価
- 大気中の214Pb、214Biの濃度測定
- 検出器材料に含まれる微量放射性同位元素の測定
- 高速中性子による無機シンチレーターの応答測定
- 宇宙ガンマ線衛星、地上望遠鏡による高エネルギー天体の研究
修士研究指導について
徳島大学大学大学院総合科学教育部で実験およびゼミによって学ぶだけでなく、岐阜県飛騨市の神岡宇宙素粒子研究施設(東京大学)やニュートリノ科学研究センター(東北大学)で実験および研究指導を受けます。出張に関わる旅費および日当は研究費(科学研究費補助金など)から支給されます。
徳島では修士論文を完成させるための基礎知識を講義やゼミで習得するほか、宇宙・素粒子・原子核物理学の計測に使用する放射線検出器の基礎開発を行います。宇宙暗黒物質やニュートリノの質量を測定する実験を円滑に遂行できる基礎知識と技術を習得します。
神岡の実験施設では徳島大学が中心となって開発している宇宙暗黒物質探索装置PICO-LONのほかに、東京大学宇宙線研究所が中心となって研究しているXMASS、東北大学が中心となって研究しているKamLAND、大阪大学が中心となって研究しているCANDLESのいずれかに所属ししていただき、幅広い研究活動を経験することができます。
具体的な研究テーマは宇宙暗黒物質・宇宙線・ニュートリノに関わる実験を主としています。
- 高感度NaI(Tl)シンチレーターによる宇宙暗黒物質探索に対する感度評価
- 二重ベータ崩壊のためのフッ化カルシウム結晶に使用する波長変換素子の開発
- 宇宙暗黒物質探索のための積層型無機シンチレーターの開発
就職・進学について
就職先・進学先: 就職氷河期といわれた時期でも就職率100%を維持しています。
学部卒: 日亜化学、三菱電気、ダイキン、百十四銀行、堀場エステック、あすたむランド徳島、教員(徳島県、岡山県他)、大学院(徳島大、広島大、大阪大他)
修士卒: 堀場製作所、非破壊検査、小糸製作所、セイコーEG&G、山岡製作所、大学院(大阪大)